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簿記会計少しづつ学んでみよう!②

企業会計原則とは

企業会計原則(ぎょうかいけいげんそく)とは、1949年に企業会計制度対策調査会が公表した会計基準である。 財務会計は、この規則に従ったものでなければならない。しかし、近年、日本の企業会計の教育的指導的役割を果たす憲法的存在であった。しかしながら、新たな基準が次々と策定され現在では死文化している部分も多々ある。

企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものであって、帰納的アプローチに基づいている。必ずしも法令によって遵守を強制されているわけではないが、すべての企業がその会計を処理するに当って従わなければならない基準であると考えられている。企業会計原則は、将来において企業会計に関係ある諸法令が制定改廃される場合において尊重されなければならないものであった。これを基に商法、税法での企業会計の取り扱いを議論されてきた。

しかしながら、現在新たに設定される会計基準の理論的根拠は主として演繹的アプローチに基づく概念フレームワークに基づいており、企業会計原則は新たに設定される会計基準の根拠としてはほとんど重視されていない。

企業会計原則は、公認会計士が、会計監査をなす場合に財務諸表の適正性を判断するさいの判断基準となる一般に公正妥当と認められる企業会計の基準を構成するひとつの原則である。

このように、現在でも重要な役割をもつ企業会計原則であるが、会計ビッグバンが進み新しい会計基準が続々と制定されていく中、空文化している部分も多々ある。また、これから制定される会計基準は、概念フレームワークを基礎として制定されていくため、企業会計原則の役割は低下しつつあるともいえる。

さて、少しずつ、企業会計原則を構成する原則を見てみましょう!

真実性の原則(以下の原則が満たされて、満たされる原則)

正規の簿記の原則

資本取引・損益取引区別の原則

明瞭性の原則

継続性の原則

保守主義の原則

単一性の原則

損益計算書原則

貸借対照表原則

真実性の原則とは

 企業会計は、企業の財政状態および経営成績に関して、真実な報告を提供するものでければならない。

各原則の最高規範として位置づけられ、絶対的真実性ではなく、相対的真実性を意味し、経営者の利益操作を排除し、期間比較性を確保し、相対的真実な報告を保証する。

正規の簿記の原則とは

 正規の簿記の原則は、適正な会計処理及び正確な会計帳簿の作成と誘導法による財務諸表の作成を要請している。

 正確な会計帳簿が満たすべき3つの要件

1・網羅性:会計帳簿に記録すべき事はすべて正しく記録されている

2・検証可能性:記録はすべて客観的に証明可能な証拠資料にもとづいている。

3・秩序性:全ての記録が、一定の法則に従って組織的、体系的に秩序正しく行われている。

重要性の原則とは

 重要性の原則とは、ある項目について、その科目又は金額の重要性が乏しい場合に、簡便な会計処理又は表示を行う事を容認するものである。

資本取引、損益取引区別の原則とは

 資本取引、損益取引区別の原則には、資本取引、損益取引区別と資本剰余金、利益剰余金区別の2つの側面がある。

 資本取引、損益取引区別は、期首の自己資本そのものの増減と自己資本の利用による増減とを明確に区別することを要請している。

 資本剰余金、利益剰余金区別は、自己資本内部において、資本取引から生じた資本剰余金と損益取引から生じた利益剰余金とを、明確に区別することを要請している。

必要性①適正な期間損益計算を行うためには、資本の増減、損益の増減とを明確に区別する必要がある

必要性②適正な開示を行うためには、維持拘束性を特質とする資本剰余金と処分可能利益を特質とする利益剰余金を厳密に区別する必要がある。

明瞭性の原則とは

 明瞭性の原則は、財務諸表による会計情報の適正開示と明瞭表示を要請している。

重要な後発事象とは、貸借対照表日後に発生した事象で、財務諸表提出会社の翌事業年度以降の財政状態、経営成績およびキャシュフローの状況に重要な影響を及ぼすものをいう。

重要な後発事象が発生した時は、当該事象を注記しなければならない。(将来の財政状態、経営成績およびキャシュフローを理解する上で補足情報)

継続性の原則とは

 継続性の原則は、一つの会計事象について、二以上の会計処理の原則または手続きの選択適用が認められる場合、企業が一旦採用した会計処理の原則および手続きを毎期継続して適用することを要請している。

必要性

①経営者の利益操作排除

②期間比較性を確保

「正当な理由」がある場合変更が認められる。

「正当な理由とは」企業会計がより合理的になる場合を意味します。

保守主義の原則とは

 保守主義の原則は、ある会計処理を行うにあたって、幾通りもの判断ができる場合には、予測される将来の危機に備えて慎重な判断にもとづく会計処理を行う事を要請している。

単一性の原則とは 

 単一性の原則は、実質一元・形式多元を要請している。ここに実質一元・形式多元とは目的別に財務諸表の表示形式が異なるのは構わないが、財務諸表の作成の基礎となる会計記録は単一であることをいう。

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