減損会計の流れ・特徴
固定資産の減損とは、固定資産の収益性の低下により、投資額の回収が見込めなく
なった状態であり、減損処理とは、その様な場合に、一定の条件下で回収可能性を反映
させるように帳簿価額を減損する会計処理です。
目的-固定資産の減損処理は、取得原価基準のもとで回収可能性を反映させるように、
過大な帳簿価額を減額し、将来に損失を繰延ないために行われる会計処理です。
問題点-金融商品の時価とは異なり、取得原価基準のもとで行われる帳簿価額の臨時的
な減額
「減損基準」では、期末の帳簿価額を将来の回収可能性に照らして見直しており、
収益性の低下による減損損失を正しく認識することはできない
「減損基準」では、減損の存在が相当程度確実な場合に限って、減損損失を認識および
測定することとしていること、また、戻仕入れは事務的負担を増大させるおそれ
があるこから、減損損失の戻仕入れは行われないこととした。
減損の兆候
①営業活動から生ずる損益又はキャシュフローが継続してマイナス
②使用範囲または方法について回収可能価額を著しく低下させる変化がある場合
資産又は資産グループが遊休状態に成り、将来の使用用途が決まっていない場合
(事業を廃止・企業再編成)
③経営環境の著しい悪化
材料の高騰・製品、商品、サービス料金、賃金水準の大幅下落、販売量の著しい
減少、市場環境の著しい悪化
(技術革新による著しい陳腐化、技術環境の著しい悪化)
④資産又は資産グループの市場価額の著しい悪化
(市場価額が帳簿価額の50%程度以上下落した場合)
減損の認識
減損の兆候がある資産または資産グループについて、これらが生み出す割引前の
将来キャッシュ・フローの総額がこれら帳簿価額を下回る場合、減損の存在が相当
程度に確実であるとし、減損損失を認識することとされています。
帳簿価額<&= 割引前将来キャッシュ・フロー⇒減損損失を認識しない
帳簿価額>&= 割引前将来キャッシュ・フロー⇒減損損失を認識する
減損の測定
減損損失を認識すべきであると判断された資産または資産グループについては、
帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失とします。
減損損失=帳簿価額 - 回収可能額
※ここでいう回収可能額とは正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額
固定資産の減損・グルーピング
グルーピングの方法
複数の資産が一体となって独立したキャッシュ・フローを生み出す場合には、
減損を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に際し、合理的な範囲で
資産のグルーピングを行う。
そこで、資産のグルーピングに際しては、他の資産又は資産グループの
キャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位で
行う事とした。
(原則) 共用資産が関連する複数の資産または資産グループに共用資産を加えた、
より大きな単位で行う方法
(容認) 共用資産の帳簿価額を各資産または資産グループに配分する方法
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