金融資産・金融負債の発生の認識
金融資産の契約上の権利または金融負債の契約上の義務を生じさせる契約を締結したときは、原則として、当該金融資産または金融負債の発生認識しなければならない。
理由:
金融資産又は金融負債自体を対象とする取引には、当該契約時からこれらの時価変動リスクや契約の相手方の財政状態等に基づく信用リスクが契約当事者に生じる為、契約締結時においてその発生を認識するのである。
金融資産とは
現金預金・受取手形・売掛金・貸付金等の金銭債権、株式その他の出資証券・公社債等の有価証券、先物取引、先渡取引、オプション取引、スワップ取引およびこれらに類する取引により生じる正味の正味の債権等をいう。
金融負債とは
支払手形・買掛金・借入金および社債との金融債務ならびにデリバティブ取引により生じる正味の債務等をいう。
金融資産・金融負債の消滅の認識
金融資産の消滅の認識
①金融資産の契約上の権利を行使したとき
②金融資産の契約上の権利を喪失したとき
③権利に対する支配が他に移転した時
金融負債の消滅の認識
①金融負債の契約上の義務を行使したとき
②金融負債の契約上の義務を喪失したとき
③第一次債務者の地位から免責された時
リスク・経済価値アプローチとは
金融資産のリスクと経済価値の殆どすべてが他に移転した場合に当該金融資産の消滅を認識する方法
財務構成要素アプローチとは
金融資産を構成する財務的要素(財務構成要素)に対する支配が他に移転した場合、当該財務構成要素の消滅を認識し、留保される財務構成要素の存在を認識する方法
金融資産・金融負債の評価
金融資産の評価基準に関する基本的な考え方
金融資産は、一般的に市場が存在すること等により客観的な価額として時価を把握できるとともに、当該価額により換金、決済等行う事が可能である為、基本的に時価評価する。
時価による自由な換金・決済等が可能な金融資産については、投資情報としても、企業の財務認識としても、さらに国際的調和化の観点からも、これを時価評価し、適切に財務諸表に反映する事が必要であると考えられている。
金融資産の評価基準に関する基本的な考え方
金融負債は、借入金のように一般的には市場が無いか、社債のように市場はあっても、自己の発行した社債を時価に寄り自由に清算するには事業遂行上等の制約があると考えられることから、デリバティブ取引により生じる正味の債務を除き、債務額を持って貸借対照表価額とし、時価評価の対象としない事が適当と考えられる。
金融債権の貸借対照表価額
受取手形、売掛金、貸付金その他の債権の貸借対照表価額は取引価額から貸倒見積り額に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額とする。
ただし、債権を債権金額より低い価額または高い価額で取得した場合において、取得価額と債権金額との差額の性格が金利の調整と認められる時は、償却原価法に基づいて算定された価額から貸倒見積り高に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額としなければならない。
金銭債権。債務は時価評価しません。
理由:
金銭債権 ①一般的に活発な市場が無い場合が多い
②受取手形や売掛金の帳簿価額が時価に近似しているものと考えられる
③貸付金等の債権は、時価が容易に入手できない場合や売却することを
意図していない場合が少なくない
金銭債務 ①一般的に市場が無い
②自己の発行した社債を時価で自由に清算することには事業遂行上等の制約が
ある
時価とは
時価とは公正な評価額をいい、市場において形成されている取引価格、気配または指標
その他の相場(以下「市場価格」と言います)にもとづく価額をいいます。市場価格が無い場合には合理的に算定された価額を公正な評価額とします。
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